
こんにちは。レスターエンベデッドソリューションズ テクノロジーデザイン本部 技術部 開発課です。
今回はBLEビーコンセンサーを使ったセンシングブログの最終回ということもあり、BLEビーコンセンサーを使ったデモアプリケーションを作成してみようと思います。
“組み込み技術シリーズ”の目次
第一回:BLEビーコン通信について
第二回:BLEビーコンセンサーを使ったセンシングについて
第三回:BLEビーコンセンサーを用いたデモアプリケーション
今回は「第三回:BLEビーコンセンサーを用いたデモアプリケーション」記載したいと思います。
デモアプリケーション
今回BLEビーコンセンサーを使ったデモアプリケーションとして、BOXタイプ型ワークスペースの使用状況の管理が行えるアプリケーションを作成してみようと思います。

使用するBLEビーコンセンサーは前回同様にサンワサプライ製の以下のセンサーと、加えてASUS製エッジPCを使用しようと思います。
(1)温湿度センサー(MM-BLEBC7)
前回使用したセンサーです。BOX内の温度と湿度の見える化を行いたいと思います。

(2)圧力センサ―(MM-BLEBC6)
サンワサプライス製のBLEビーコンセンサーには圧力センサーを内蔵したクッションやチェアがあり、これを使用して着座状況を見る事でBOXの使用状況の見える化を行いたいと思います。
※今回はデモアプリケーションということもあり、通常の圧力センサーを使用

(3)エッジPC(Tinker System 2)
エッジPCには、弊社でも取り扱っているASUS製の「Tinker System 2」を使用します。
Tinker System 2は、ASUS社の産業用IoTデバイスです。小型かつ安価ながら、Wi-FiやBluetoothといった無線機能も搭載されています。
今回はTinker System 2を用いてBLEビーコンセンサーのデータを受信します。

ソフトウェア構成
IoTstarterKITのプラットフォーム上で動かすため、前回同様ソフトウェアはDocker上のコンテナで動かします。
またコンテナの構成は以下のようにBLEを受信するコンテナとアプリケーションのコンテナに分けて、BLEを受信するコンテナは汎用的に利用できるようにしたいと思います。

前回はprint文で表示させており、BLE受信コンテナのプログラムは基本的に前回と同じですが、コンテナ間通信で受信したデータを上位側(アプリケーション)に送信するように変更しました。
また汎用的に使えるように受信したデータはすべて上位側に送るようにしています。
アプリケーションコンテナは受信データの内容を確認して、各BOXの使用状況や温湿度の情報をクラウドに送るようにいたします。
また、今回デモアプリケーションということもあり以下のようなGUIを表示させてBOXの使用状況をモニターに表示させるようにいたします。

デモアプリケーション動作
今回使用する圧力センサーは、圧力を検知すると設定された間隔でアドバタイズパケットの送信が行われ、圧力が未検知になると送信が止まります。
その為、アドバタイズパケットを受信したらBOXが使用中と判断し、一定時間未受信の状態が続いたら空席と判断するようにします。

また、温湿度センサー・圧力センサーともに送信されるアドバタイズパケットの中に電池残量の情報もありますので、電池残量一定以下になったらアラームを出すようにいたしました。

さいごに
今回、温湿度センサーと圧力センサーを組み合わせてワークスペースの使用状況の見える化を作成してみましたが、会議室やフリースペースなどの見える化でも応用できるのではと思います。
またBLEビーコンを受信することはそんなに難しくはなく、上記以外のBLEビーコンを用いる事でいろいろなモニタリングやRSSI(受信電波強度)を利用した物の位置検知などもできるかと思います。
今後BLEビーコンやセンサーを使った見える化を検討される場合は、お気軽にご相談して頂ければ幸いです。
参考文献
サンワサプライ製のBLEビーコンセンサーならびにASUS製 Tinkersystem2は弊社でも取り扱いをしております。
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更新履歴
2025/3/26 新規作成